財源の有効活用に期待が集まる社会的投資 ソーシャル・インパクト・ボンド

未分類|2015/01/03 posted.

これまでの行政サービスに民間の力を取り入れ、より効果的な課題解決を目指すソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)の導入が日本でも始まっています。

SIBとは、新しい官民連携の社会投資モデルです。社会保障費・財政赤字の拡大は続き、少子高齢化の影響で国家予算の縮小が避けられない中、限りある財源の有効活用法として期待されています。すでに安部政権が掲げている『日本再興戦略』、『まち・ひと・しごと創生基本方針』(共に2015 ppc experts)の中ではSIBの活用を検討することが言及されています。一方で行政サービスを投資手段で解決することへの課題は多く、日本で根付くかどうかはまだ不透明です。

民間のSIBへの関わり方には、いくつかの立場があります。一つは行政や投資家との窓口となり、サービスを提供する事業者の支援・プロジェクト管理をする中間支援組織です。もう一つは、中間支援組織と連携して市民へのサービスを担う事業者。そしてプロジェクトに対して資金を提供する資金提供者と、プロジェクトの目標達成を判定する評価期間があります。いくつかの立場を一つの事業者が担うこともできます。

行政サービスは公平さが重視され、失敗が許されないという制約やプレッシャーがあります。SIBモデルを活用することで、民間のノウハウや革新的手法の導入、投資の呼び込みが可能になります。また、評価機関がプログラムの目標達成度を判定し、成果が出た分だけ事業費が支払われる仕組みです。

「なんだか行政サイドにとって都合の良い話では・・・」とか、「民間にとってのメリットってあるのだろうか?」という疑問が持たれるかもしれません。今のところ、SIBは“行政サービスを補完・追加する”、“課題解決のための新しい方法”という位置づけになっています。そのため、民間の力が発揮できる事業、つまりSIBに適した事業・適さない事業が想定されています。

SIBに適した事業としては、若者の就労支援や子ども・家庭支援、生活困窮者への支援といった、将来にわたってより問題やコストが大きくなりそうな社会課題が考えられています。例えば、ホームレスやニートの状況から生活保護受給者になる前に就労につなげる、児童養護施設に引き取られる前に家庭や里親・養子縁組の支援を行う、といった予防的サービスです。事前に策を講じることで、本人のQOL(生活の質)向上にもつながり、財政支出も抑えられる、という分野です。

“予防的サービスがなかったら発生していた費用“に対して削減できた額を“行政コストの削減”と捉えるため、削減された部分からの投資家へのリターンが確保できます。また、実際に効果が確認された事業は、社会制度に取り入れられる可能性があります。そうなれば、サービスを提供する民間事業者にアドバンテージがもたらされることも考えられます。

一方で、何をいくら削減できたのか、投資の際にどのくらいリターンを期待できるかを数字で算出することは簡単ではありません。そもそも市民の生活の質を高めることが目的なのに、“コスト削減ばかりフォーカスされすぎてしまう”ことへの懸念もあります。

すでにSIBのパイロット事業として、岐阜県大垣市と公文(株式会社公文教育研究会)による高齢者向け学習療法(認知症予防による介護費の削減へ)や、兵庫県尼崎市での若者就労支援(生活保護費削減・納税額増加)などの取り組みが始まっています。一方でSIBを取り入れるかの判断を行う基礎自治体の中では、「SIBの手法が市民に理解してもらえるのか」という心配もあるようです。

ふと、行政の役割って何だろう?と思いました。

一人ひとりが幸福だと思える社会をつくるためだとしたら、私たち一人ひとりも “自分の幸福はこれなんだ”という価値観を他人のモノサシに頼らずに持つことが大切なのかなと思います。同時に他人の多様な価値観を許容すること、その小さな積み重なりが、未来志向の社会づくりにつながると思います。それがまわりまわって、SIBが有効活用される土壌となるのでは、と考えています。

 

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